Vol.04 1999.08.05発行
我々アマチュアの願いは、いかに正確に遠くへ飛ばすかだと思います。しかし70才を越えた私の父は、ドライバーで180ヤードくらいが精一杯なのですが、90そこそこで回ります。得意なフェアウエイウッドで残り100ヤード、ピッチングで手前から寄せて1パットという具合にパーを 取ってしまうのです。せっかく100ヤード近くオーバードライブしたのに、ざっくりざっくり寄らず入らずで、「いくらドライバーを飛ばしてもダメなんだなあ」とよく思いました。
では、ドライバーの飛距離とスコアに関係はないのでしょうか?
増田正美先生の飛ばしの科学(廣済堂出版)に面白いデータがあるので、ご紹介します。
◆ドライバーの飛距離と究極のハンディ◆ | |
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飛距離 | ハンディ |
246 | 0 |
229 | 2 |
215 | 4 |
202 | 6 |
191 | 8 |
180 | 10 |
172 | 12 |
163 | 14 |
156 | 16 |
この数値は、コースレートを決める式から算出したとのことで、式の詳細は省略しますが、この式には飛距離に関する項とアプローチやパットなどの技術に関する項から成り立っているとの事です。180ヤードしか飛ばない私の父でもハンディ10にはなれるという事になるわけですが、もち ろんその為には、プロ級の寄せの技術が必要だという事になります。逆に言えば、飛距離さえ出れば多少技術が未熟でもスコアが上がると言えるのかもしれません。(10ヤードにつき1~2打程度のようですが・・・)
ここで「飛距離」とは何かを考えたいと思います。上記表の飛距離は平均飛距離と考えなくてはいけません。もっと言えば、常時この飛距離と言った方がよいかもしれません。当たれば280ヤードだが、チョロや天ぷらで、120ヤードの事も多く、平均200ヤードではとてもシングルには なれないでしょう。
そういう意味では、最高に当たった時に260ヤード飛ぶスイングや、真芯に当たったら260ヤード飛ぶクラブより、多少飛距離は落ちても安定して220ヤード飛ぶスイングや、芯を2センチメートルくらいはずしても200ヤードは飛ぶクラブを選んだ方が、間違いなくスコアアップにつ ながるでしょう。(それがどういう事なのかは、別途お話します。)
ところが、我々アマチュアはコンペのドラコンだとか、同伴者との飛距離争い、そして会心のショットで260ヤードを飛ばした経験が忘れられず、いつもフルショットをしてしまいがちです。それもゴルフの楽しみであり、醍醐味でもある訳なので、否定することはしません。しかし本当にスコアアップを狙うなら、プロの様に精度のないスイングでも平均飛距離の伸びる方法を考えることも、一考の余地はあると思います。
さて、ボールの飛距離は何によって決まるのでしょうか。もちろん飛距離はティグラウンドから空中を飛んでいる距離(キャリー)+地上をバウンド、ころがった距離(ラン)です。ボールの曲がりは自然現象を無視すれば、インパクトで決まるというお話をしましたが、実は飛距離は自然現象 を無視することはできません。そういう意味では、インパクト時に決まる要因とクラブとボールが離れた後の要因を分解して考えた方が分かりやすいと思います。
飛距離を決める要因は非常に複雑怪奇で、上記以外にもあるかと思います。次回は、それぞれの要因が何によって決まり、どう関係し合っているのかについて、もう少し掘り下げたいと思います。今回は少し短めで、あまり内容がないかもしれませんが、飛距離の話は先が長いので、息切れしないようにゆっくりと進めたいと思います。
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