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■ピッチングも理論?(続編)■(号外)

号外Vol.04 1999.08.13発行

前回の号外に対しましては、賛否両論皆様から貴重なご意見をいただき、本当にありがとうございました。ピッチャーの投げるボールとゴルフは 比較できないという方、全く違うスポーツを関連づける考えがおもしろかったという方、どちらのご意見もとても参考になりました。終わりの方で、一部読者の方のご意見を掲載させていただきました。今回の号外もだからどうだという事はないのですが、暑い夜にプロ野球中継でもご覧になりながら、ボールの軌道と回転でもチェックしてみたら、また別の楽しさがあるかもしれません。

●重い球と軽い球

「巨人の星」で、星飛雄馬のボールは軽い、と言われていました。では球質が重いとか軽いとかは何で決まるのでしょうか?私も本当の所は知りませんので、もしご存じの方は教えていただきたいと思います。

もちろん、ゴルフの世界ではジャンボのボールは重いが、ジョーのボールは軽いとは言いません。私の想像では野球の場合、体重の重い人が投げるボールは重くて、軽い人が投げるボールは軽いと言われているのではないかと思います。しかし、1メートル先の理論で考えると、ボールの重さはもちろん一定、球速と方向、回転と回転数ですべてが決まるとしたら、重い球と軽い球が存在するはずがありません。ボールの回転の違いだと言う人もいますが、だとすれば、あれほどある全ての種類の変化球について、重い軽いがあるのでしょうか。それともこれは投げる人の固有の何か別の問題なのでしょうか。

私は、投げる姿を見ているからこそ、ボールに重い軽いというイメージが与えられるのだと思っています。ピッチャーの姿を隠して、ボールの出る所だけに穴を開けたようなボードを用意し、球が軽いと言われるピッチャーと、重いと言われるピッチャーに同じスピードの直球を投げさせたら、おそらく誰もこの2人を見分ける事ができないと思います。同じスピードのボールを投げるのに、痩せた小さいピッチャーは、かなり思い切り投げるのに対し、ガルベスの様な体重のありそうなピッチャーは、意外と小さいモーションで投げるため、受ける側の印象、すなわちボールへの期待値より実際はボールがビュンと来る。もし実験ができれば、重い球と、軽い球の違いに関する結論が出ると思うのですが・・・。

●ボールがストンと落ちるフォークボールについて

議論をやさしくする為に、フォークボールは回転がない、空気抵抗は考えない、ボールは均質にできているとします。

ピッチャープレートからホームベースまでの距離は18.44メートルあります。しかし実際ボールが手から離れる場所はプレートより前なので、仮にボールが離れてからバッターの打つポイントまでの距離を、17.5メートルと仮定しましょう。

ピッチャーが時速140キロメートルで、ボールを水平に投げ出したとします。ボールがホームベースに届くまでには、0.45秒かかる計算になります。その時のボールの落下距離は約1メートルです。ピッチャーの手の離れる高さから、1メートルも落ちるのですから、これはかなり打ちにくそうですね。



自由落下というのは、加速度的に落ちるスピードが増します。計算してみるとピッチャーとバッターのほほ中間地点では、たった23センチメートルしか落ちていないのです。半分までボールが来たときに23センチしか落ちていないボールが、残りの半分で77センチ落ちるのですから、これは急激にストンと落ちたと思うのも当然でしょう。

実際には空気抵抗でもっと落ちるでしょうし、複雑な要因がからんでいると思います。

●ボールが伸びるということ

昔、著名な解説者が、ある速球投手のボールについて、「彼のボールは投げた瞬間の速度よりバッターの近くでの速度の方が速いですね、ボールが加速していますよ。」とまじめな顔で話していました。ちょっと考えれば、おかしいことはすぐ分かるのですが、ボールが伸びるという表現はまさにそういうイメージだという事でしょう。実際には、ゴルフのドライバーショットと同じように、強力なスピンによってよって、落ちるかと思ったら全然落ちずに来る場合に、ボールが伸びたというようです。アンダースローやソフトボールでは、本当にホップという浮き上がるボールがあるようですが・・・。

●ゴルフの話題も少しだけ

野球の球種は、ボールのスピードと球の曲がり方で判断するというのももちろん正しいことです。ただ野球の投球は、「このような投げ方で投げた結果、この様な球筋になったという因果関係が比較的はっきりしている。」のに対し、ゴルフはそうではない。ボールコントロールの容易な投球、難しいゴルフとでは、同じ土俵で語ることはできませんが、少なくともミスショットをした時に、ヘッドの軌道がどう動いて、フェイスの向きがどうで、ヘッドのどこに当たったか、この3つを自分でチェックする事が、正しいスイングをマスターし、まっすぐに遠くまで飛 ばすためには、とても重要ではないか、という事をお話したかったのです。

●読者の声(30代男性Mさんより)

野球の変化球とゴルフの曲がる球との関連づけと言うのは非常に面白いテーマですね。

本文の中でおっしゃっている通り,握りと投げ方で球種が決まりますが 一応球筋でも定義できます。

以下球筋イメージですが結構当たっていると思います。

球種球筋ゴルフにたとえれば
(イメージ)
ストレート縦回転の真っ直ぐ
重力に逆らい自然落下より落下が少ない
ストレート
カーブ斜め横回転 大きく曲がるフック
シュートカーブと反対スライス
スライダーやや横回転 直球が横にずれるドロー
シンカースライダーの反対フェード
フォーク回転ほとんどなし 縦にすとんと落ちる
空気抵抗によりブレーキがかかる
トップボール
ドロップ直球の反対の回転 縦に大きく曲がる
今は縦のカーブという
チーピン
ナックル直球と反対回転が少し加わる 縦に落ちる
フォークより空気抵抗少ない
ドロップボール
パーム上下左右に少し回転 球が揺れる
フォーク,ナックルより回転が不規則
フライヤー
スクリュー左利きのシュートスライス
チェンジアップストレートの遅いやつ
最近流行のくそ握りはパームの効果もあり
ダフリボール
SFFフォークに直球の回転を少し付ける
直球が手元でのびない
ハーフトップ
ライジング実際にはまず無い直球の回転が非常に高くで戻す
伸びてくるボール(ソフトボールでは投げる人有り)
バックスピン

こんなイメージで良いと思います。

横回転系は,大きくどろんと曲がるか,小さくクット曲がるかの違い回転させない系は,極力回転させないですとんと落とすか,ちょっと回転を与えるため揺れるボールがあります。

尚,解説者の方は球筋を見て球種を言っています。
(ただ,フォーク,ナックル,パームの区別は解説者席からは分かりませんるピッチャーの持ち球から球種を言っている場合が多いです)

故に,フォークの落ちないやつは,少し回転がかかってしまったため空気抵抗が少なくなり,落ちなくなったもので直球とは球筋,球速が違い ます。

ちなみに,フォークがすっぽ抜けたと言いますが,実際にはすっぽ抜けたのではなく指に引っかかってしまった場合「すっぽ抜けた」と言って いる場合が多いです。

以上です。


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