Vol.02 1999.06.30発行
と言っても、木の陰からバナナボールでグリーンにオンとか、ドッグレッグをコースなりにピタリフェアウエイど真ん中、という高度な技を修得しようというものではありません。あくまでも、スライスやフックの理論を体感し、理屈を知ることによって自分のスライスやフックを矯正しようと いうためのものです。(でも真剣に練習すればできるかも・・・・)
今日ご説明する方法に限らず、何事も思い切って極端な事をやって見るという冒険が大切です。まず思い切った方法を試してから、徐々に調整していけば、意外と簡単に解決する場合があります。もし、アイアンをティアップして打っても、ほとんど芯に当たらないという方は、バックスイング をうんと小さくしてお試しください。とにかくある程度芯にあたらない事には、曲がっているかどうかが分からないので・・・・。
一番簡単な方法です。打ちやすい7番アイアンくらいで試すのがよいかと思います。ボールはティアップしましょう。スタンスはいつもの通り、目標の方向に打つように立ってください。グリップやスイングも全くいつもと同じです。ただフェイスの向きだけを思い切って30度くらい閉じて (目標より30度左に向ける)打ってみましょう。通常と変えるのは、フェイスの向きだけです。必ずどフックが出るはずです。もしうまく行った ら、次は20度、そして次は10度・・・とだんだん元に戻します。するとフックの程度も減るはずです。
今度は逆に右30度に開いて打ってみましょう。さあどうでしょうか。スライスボールが出たはずです。同時にもう一つ大切な事に気づかれたのではないでしょうか。あたりまえですが、右30度も開けば、ロフトはピッチングの様になっている事でしょう。高いボールでスライスしたはずです。もし距離の出る低いスライスボールを打ちたければ、思い切って3番アイアンでて試してみたらどうでしょうか。低いスライスボールが出ると思います。
以上の様に、インパクトの時の軌道はまっすぐでも、フェイスが曲がっていればすごいフックやスライスが出ることがおわかりいただけたと思います。これは創刊号でお話した、軌道はまっすぐ、フェイス面が曲がっているパターンの実証です。
1番目ではフェイスの向きだけを変えましたが、今度はスタンスだけを変えます。まず通常より30度くらい右の方を向いてスタンスを取ってください。グリップやスイングはいつもの通りです。ただしフェイスの向きは目標方向です。ちょっと変な打ち方なので難しいかもしれませんが、実は この様に打つと、軌道は右後ろから左前に出るいわゆるインサイドアウトになるわけです。1番目の方法よりフックの程度は少なかったのではないでしょうか。
次はこれの逆です。通常より左30度を向いて、ヘッドは目標方向、スイングはスタンス通りの方向でかまいません。この軌道が右前から左後ろに向かうアウトサイドインであることは、もうお気づきだと思います。
フこれは結構「ワザ」が要りますので、難しいかもしれません。スタンスもフェイスの向きも変えない方法です。この中にさらにいくつかの方法があります。
■曲げずに打つ基本の形 まっすぐ打つのはこの形しかありません。ここから色々なバリエーション でボールを曲げることができます。 |
・グリップで曲げる(フェイスの向きが変わる)
思い切ってフックグリップ(右手の手のひらが上を向くくらい右に回した状態で握る)やスライスグリップ(先ほどの逆で、ドアノブを左に回したような感じで握る)で打って見ましょう。
・軌道で曲げる(軌道が変わる)
スタンスやフェイスの向きはそのままで、軌道を思い切りインサイドアウト(フックの場合)、またはアウトサイドイン(スライスの場合)にする。
インサイドアウトに打つには、左の前の方にクラブを放り出す感じ、アウトサイドインに打つには左の肘を打つ瞬間に左後ろに引く感じで打てばよいでしょう。(ちょっと難しいです。)
・手首の返しで曲げる(主にフェイスの向きが変わる)
インパクトで思い切り両手でつかんだドアノブを左に回すような動きを加えるとフック系に、逆に手首を返さずドアノブを右に回した状態のままで打つとスライス系のボールになります。
・肩の開きで曲げる(フェイスの向きも軌道も変わる)
インパクトで腰より早く肩を回すようにして打てばフックに、腰より肩を遅らせて打つようにすればスライスになります。創刊号のHPにこれのイラストがあります。
・ボールの位置で曲げる(軌道が変わる)
ボールを右足の前に置けばフック、左足の前に置けばスライスになります。もちろんこの時のフェイスの向きは真っすぐ目標方向を向けてください。(理由は創刊号の「運動場に線を引く」部分を参照してください)
フックやスライスの打ち方は、他にもたくさんあると思います。代表的な方法を書きましたが、実はどの方法も創刊号で書いたように、その要因は2つしかないのです。スイングやグリップやスタンスやフェイスの向きや色々な事を変えているようですが、実は「ボールに当たる時のフェイスの 向き」と「ボールに当たる時の軌道」の2つ、またはその組合せしかないのです。
裏を返せば、スライスやフックの原因は、上記に挙げたような曲げ方をいつもやっているという事です。従ってもしスライス病の方がよりひどいスライスやフックを打てるようになったとしたら、その原因、理屈、ボールに当たる瞬間のクラブフェイスの向きと方向がイメージでき、どんな打ち 方をすればよいのかが見えて来るのではないでしょうか。
結論は簡単です。分かり切っています。それができないから苦労しているという声が聞こえて来そうですが、大切なことはなぜスライスやフックが出ているのかを、上記の方法で実験しながら原因を明らかにすることです。私は皆さんのスイングを見ている訳ではないのでないので、何が一番問題なのかは分かりません。ただもしどなたかに、「こうすれば直るよ」と言われたら、「こうすれば、何がどうなるから、言い換えれば軌道がまっす ぐになるから、あるいはフェイスが目標方向を向くから、またはその両方が改善されるから直るんだ」という事をしっかり理解し、ボールに真っすぐクラブが当たるイメージを持って練習してください。やみくもに「グリップをこうすれば直る」とか「テイクバックはこう上げろ」という言葉だけを聞いて、信じて練習しても成果はあまり上がらないと思います。
◆たくさんの激励のお言葉の他に、質問やお悩み相談もたくさんいただいております。そこで、Q&AコーナーをHP上に開設することにしました。なるべく個別にも対応したいと思いますが、限界もあるので問い合わせの多いテーマは、本編でも取り上げたいと思います。
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